“Fourskitz” presents 夏の爽音まつり【第1回S&L The Gate】ライブレポート(前編)

⇒ライブレポート(後編)はこちら


2017年8月6日(日)、東京都内最高気温が33.5℃に達した夏真っ盛り、第10回江東バンドフェスティバル・グランプリ獲得バンド “Fourskitz” 主催の記念ライブ「夏の爽音まつり」が江東区文化センター・ホールにて開催されました。

本記念ライブは、公益財団法人江東区文化コミュニティ財団の後援のもと、レインボータウンFMの協力も得て、S&Lミュージックが企画制作したもので、本イベントをプロ・セミプロ活動への登竜門“S&L The Gate”(SLG)と位置づけ、夢を諦めないアマチュアバンド等を集結し、コンテスト形式で審査を行い入賞者にS&L登録権を付与するとともに、ジャンル横断的なS&Lアーティストがゲスト参加し、プロ・アマが垣根無く融合する懐深いライブシーンを演出しました。


15時開演、まずは司会の山田達矢氏(Fourskitz Vo.)のオープニングコール。

開催経緯・趣旨、アマチュアバトル審査員が紹介され、約5時間にわたるイベントがスタートしました。

山田氏は、司会だけでなく審査員も務め、さらにFourskitzのボーカルとしてステージにも出演という大変多忙な役回りでした。

(開催趣旨、審査員等の詳細についてはこちらをご参照ください。)


S&Lスペシャルユニット(きいちろ+シュガーブレッシング)【S&Lゲスト】

オープニングを飾ったのは、本イベント限定で結成された2人のシンガーソングライター、きいちろ(Vo./A.Gt.)とシュガーブレッシング(Vo./E.Pf.)による「S&Lスペシャルユニット」。

「夏の爽音まつり」幕開けの2曲は、きいちろのオリジナル曲。1曲目は力強いコードストロークと迫力あるボーカルで「ウルトラ・レディ」、続いて故郷の姫路を舞台にした大人のバラード「城下にて」をしっとりと歌い上げました。

次の2曲は、シュガーブレッシングのオリジナル曲。まずは新曲「blue」、スペーシーな楽曲に伸びやかなボーカルが重なり、透明感あふれるサウンドがホールに響き渡りました。続いて明るくポップな「理想のふたり」。

オープニング最後の曲は、きいちろの力強いボーカルと正統派声楽家でもあるシュガーブレッシングとのハモリによる往年の名曲、アリスの「チャンピオン」。アマチュアバトル参加者への絶好のエールとなりました。


松村昌二【アマチュアバトル】

アマチュアバトルのトップは、ジョージこと群馬県在住松村昌二のギター弾き語り。

普段は関東地方のライブハウスなどで活躍中とのことで、自らの作詞・作曲による2曲のエントリーです。

1曲目は「LET'S SING A SONG ~その弐」。とある中年男性(おそらく、ご本人?)の想う将来の夢と現実を軽快なリズムとメロディに乗せ、明るくストレートに歌い上げました。

2曲目は、いつも彼の心の支えになってくれる人に作ったという「ありがとう」。ブルースハープと相まって情感溢れる感謝の歌に多くの拍手が沸き起こりました。


さすけモンゴリアン【アマチュアバトル】

アマチュアバトルの2番手は、愛知県名古屋市在住のシンガーソングライターさすけモンゴリアンのギター弾き語り。

1曲目は、オリジナル曲の「つぶやきルート41」。ニッポン放送『坂崎幸之助と吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD』のミュージックトライアウトで放送されたことがあるというスローバラード。ミュージシャンになりたいという夢と乖離した日常を歌いました。

豊富な経験を感じさせる軽妙なMCで聴衆を沸かせた後の2曲目は、ザ・ディランIIのカバー「プカプカ」。こちらもスローで、元々コミカルなテイストのある曲ですが、間奏のカズーによるアクセントも加わり、“さすけワールド”に会場が包み込まれました。


流星*BREATH【S&Lゲスト】

都内を中心に活動する鹿児島県出身のソロヴォーカリスト流星*BREATH(りゅうせいとぶれす)

今回は、ロック魂を持ったジャズピアニスト山口美智代をサポートに迎え、流星*BREATH本人の作詞・作曲による全3曲を披露しました。

1曲目は、懐かしい夏の日の情景に想いを重ねたミディアムバラードの「空を見上げて」。2曲目も夏を感じるバラードの「海唄」。最後は、ドラム等を収録した打ち込み音源を同期させたアップテンポのポップチューン「ハートミサイル」で一気に客席を盛り上げました。


BEN&きき【アマチュアバトル】

大森駅の程近くに位置する「ふぉ~く処cocoro」の常連客BEN(Vo./A.Gt.)と、店主きき(Cho./A.Gt.)によるフォークデュオ BEN&きき。活動歴約2年、レパートリーは、かぐや姫がメインとのことですが、フォーク全般にわたり、日々練習に勤しんでいるとのこと。

今回は吉田拓郎の「夏休み」と、風の「22才の別れ」をセレクト。フォークソングの定番とも言える懐かしいメロディを、フォーク酒場で研鑽を積んだ二人ならではの円熟したギター演奏と美しいハーモニーで歌い上げ、多くの聴衆が聴き入っていました。


十二処泉【S&Lゲスト】

前半の部のラストは、植田尚樹(A.Gt.)&佐々木ゆか(Vo.)により、2014年12月に結成されたオリジナルJ-POPユニット十二処泉が登場。姫路を拠点として活動していますが、今回、初の東京ライブツアーを敢行し、はるばる関西から本イベントへのゲスト出演となりました。

佐々木ゆか作詞、植田尚樹作曲による4曲を演奏し、1曲目はファーストアルバムより、印象的でダイナミックなギターのイントロから始まる大人のJ-POP「センチメンタル・ムーン」。

そんな曲調とは打って変わって、自ら‘関西のおばちゃん’と宣う佐々木ゆかの明るく楽しいMCを挟み、スローバラードの「追憶(バラード)」、情熱的な愛を歌う「十字架」と続けての演奏。

そして、最後は新曲の「Beginning」でアコースティック系のユニットの出演が中心となった前半の部を締め括りました。

実は植田尚樹にとっては、今年1月に患った生死の淵を彷徨うほどの大病からの奇跡の復活ツアーでもあったのですが、それとは微塵も感じさせない、圧倒的かつ比類なきガットギターの演奏テク、表現力と、佐々木ゆかの心に響く歌声に多くの聴衆が魅了されました。