第1回SLGを終えて思うこと by きいちろ(S&Lミュージック名誉顧問)

S&Lミュージックの登録要件は、JASRAC等音楽著作権管理団体への楽曲登録レベルを基本としています。

自作音楽を糧としてプロ・セミプロ活動を行っていくには、その基本財産である著作権の管理が全ての基礎になると考えたからです。

どんな音楽を作っても、それが社会的に認知され、かつ、その認知に見合ったリターンがないと、結局は自己満足、趣味の世界の延長でしかありません。自分の作った音楽を自分で著作権管理して生業とすることは、理屈上では有り得ても現実的には不可能と言っていいでしょう。

SNSやネット上でどれだけ評判になったところでリターンを得る仕組みがないと、それを生活の糧にすることは不可能です。 地域のライブハウスなどで自主ライブを繰り返したところで、コストパフォーマンスを考えれば、平均的なサラリーマン並みの収入を得ることなど夢のまた夢というのが現実でしょう。

いずれにしても、それだけで生計を立てるかどうかは別にして、自作音楽を糧に何かしらプロ・セミプロ活動を発展的に行おうとするならば、やはりJASRAC等の音楽著作権管理団体は、そのインフラとなる極めて重要な存在であり、そこに楽曲登録することが活動の基礎となることに間違いありません。

しかし、これまでは、そのインフラを使えるのは、いわゆる"メジャーデビュー"のようなルートしか無いと言っても過言ではなく、その結果、極めて狭き門であると同時に、その狭き門を一部の事業者グループ等が牛耳ることによってポピュラー音楽の業界や市場を不透明化、硬直化させてきました。このような業界構造が、"メジャーデビュー"を餌に若者の夢を食い物にするグレーなレーベルやプロダクションをはびこらせる大きな要因ともなっているのです。 

⇒参照記事「夢を追う若者の著作権問題」

このような業界構造に風穴を開けるべく日本初の"コモンレーベル"たるS&Lミュージックが満を持して用意したのが、S&L The Gate(SLG)の枠組みです。

SLGは、特定企業グループ等とは一線を画した公的団体等との連携による非営利かつ公平中立な取組みです。

SLGアマチュアバトルの審査員には、JASRAC等への登録ノウハウを有する音楽出版社(S&L協力連携事業者)のほか、メディア関係者、ライブハウス関係者など、音楽活動を幅広い局面でサポートする立場からの専門家を招聘し、また、ゲストには、ジャンル横断的なS&Lアーティストを迎え、プロ・アマが垣根なく融合するプログラムを構成するなど、SLGは、入賞者をはじめ出演者の皆さんが今後の活動を飛躍的にグレードアップできる糸口を掴めるようなシチュエーションを生み出します。

⇒参照記事「音楽出版社について思うこと」

アマチュアバトルを勝ち抜き、みごと上位2組、"空高く賞"又は"天高く賞"に選定されると、JASRAC等登録レベルに準ずる実力を有するものとしてS&Lミュージックへ登録することができ(登録要件第5号(SLG))、それによってプロ・セミプロの一員として地域イベント等とのマッチングサービスを受けられるようになります。

入賞者は、このような枠組みを活用して、自らの実力と‘やる気’で音楽活動を更にグレードアップし、いずれは自作曲をJASRAC等に登録し、そして更に上を目指す、といった成長シナリオを描けるのです。

第1回SLGにおいて栄えある"空高く賞"&"天高く賞"を受賞された二組には、是非このような成長シナリオを実行して文字通り"空高く天高く"羽ばたいていっていただきたいと思います。

⇒第1回SLG(夏の爽音まつり)ライブレポート

SLGは、夢を諦めない全てのアマチュアアーティストに開かれたオープンな枠組みです。特別な伝手などは一切必要ありません。むしろ、そういった怪しげな悪しき業界慣行を改善していくための風穴です。

関係各位の更なるご理解、ご協力を衷心よりお願いいたします。